「お金をじゃんじゃん刷れば良い」というのは現況において正しいけれど、
なぜ妥当なのか、どこまでやっていいのか等を論理的に説明できないと
説得力がない。
ケインズ政策の原資をどこに求めるべきかを、ケインズを含め、ほとんどの
人がまともに論議してこなかった。なんとなく「国債でだろう」と皆が思いこ
んでいるだけだ。
いかなる場合に、どれだけの増刷をしていいのかということを、真剣に論議
しなければいけない。
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今の北朝鮮や、戦後すぐの日本では、生産が不足し、かつ、需要は極大
である。このような状況で増刷すれば、インフレになるのは当然。
しかし、今の日本は、生産力が余り、需要は冷え込んでいる。このような
状況で増刷しても、ハイパーインフレにはならない。
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生産性が高まれば、労働者需要は減る。しかし、生産性の高まった企業
の製品は価格競争に勝つことが見込まれるから、その企業の収益と株価
は上がる。
株価が上がるということは、世の中のお金が増えるということ。
その結果、従業員は増設された生産設備へ移転して働き続けることがで
きる。給料も若干上昇するだろう。
これが「右肩上がり経済」のモデルであり、途上国ではこれが当てはまる。
だが、先進国であればあるほど、このモデルに当てはまらなくなっていく。
安く作れるようになったからといって売上が伸びるとは限らないからだ。
先進国にはモノがあふれているがゆえに。
さらに日本の場合、バブル崩壊後の株式市場が実体経済を反映している
とは言い難い状況にある。これでは、上記モデルは全く機能しない。
生産性の向上が、株価・地価等資産の値上がりに繋がらなければ、必ず
デフレが起こる。バブル崩壊後の日本はまさにその状況にある。
したがって、「じゃんじゃん刷って良い紙幣の量」とは、生産性が向上した
ぶんのことであり、端的には失業者数から割り出されるであろう金額のこと
である。
つまり、失業者がいなくなったら増刷を止めねばならないということだ。
ただし、ここでいう失業者は今の日本の失業者のことである。必要十分な
消費を失業中もしているもののことである。